お太鼓結び

嵯峨近辺 未分類

下の写真は嵯峨大念仏狂言の公式ウェブサイトから拝借しました。
演目は [ 紅葉狩 ] です

嵯峨大念仏狂言は鎌倉時代に始まったとされ
国の重要無形民俗文化財に指定されています。
1963年に後継者不足で一度途絶えましたが
1975年に地元住民が復活させ
現在 10~80代の保存会員35人が守り継いでおられるとのことです。
■2017年 春季公演
嵯峨釈迦堂(清凉寺)本堂東側(狂言堂改修工事のため)観覧無料 
<公演日程>
●2017年4月8日(土) 13:30~  [ 大黒狩 ] [ とろろ ] [ 橋弁慶 ]
●2017年4月9日(日) 13:30~  [ 花盗人 ] [ 愛宕詣 ] [ 餓鬼角力 ]

私は入院騒動があり 今回 見逃してしまいましたが 幸い5月4日に 退院しました。

京都の 清凉寺 壬生寺 千本ゑんま堂 神泉苑 には 大念仏狂言が伝えられています。
念仏狂言のほとんどは無言劇で 囃子に合わせて演じられています。
その中で「ゑんま堂」だけがほとんどの演目にセリフがあります。
毎年 4月の中旬から5月上旬にかけて
前後して3箇所のお寺で「カン デンデン」 の囃子が響き (神泉苑は秋に)
狂言見物に多くの 参詣人や観光客 地域の人達 が集まります。

わたしは 以前から 太鼓結び問題と名づけて 疑問に思っていることがあります。
それは これらの狂言に出てくる 既婚女性の 衣装に関しての疑問です。
彼女たち(演者は男性) のほとんど全てが お太鼓結びの帯を締めて
結び目が 前に来ていることです。
寛政年間(1789-1801) 頃に描かれた 『江戸風俗図巻』には 町人の妻として
幅広の帯を 前で結んでいる絵があります。お太鼓結びではありません。
お太鼓結びは 文化10年(1813) 頃 深川芸者が 流行らせたといいます。
一般に流行りだしたのは 江戸末期ごろで
既婚者も未婚者もすべて 後ろ結びになっていたそうです。

古来伝統の 前結びと
流行りの お太鼓結びが 全ての狂言堂で見られるということです。
狂言堂でだけしか見られない 少し奇妙なコスチュームの解釈に
今も この太鼓結び問題に もどかしさや もやもやを感じています。

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