多面体

正四面体1 [3,3,3] Tetrahedron

01[3,3,3] 多面体 製作道具

正四面体の作り方をお伝えします。
下の写真の A4用紙の図面をもとに製作します。
ダイヤモンド結晶模型で使った図面と基本は同じです。

長方向に用紙を二分し線をいれ 対角線を 2本いれます。
二分してできた小さな長方形に 対角線をいれます。



正四面体の左の稜の仰角と 赤い線で囲んだ三角形の左の辺
そして横のクレィドルの仰角 すべて同じ角度 54.7度です。
両端を 35.3度 (54.7度の余角) の面にカットした角棒を
このクレィドルで 面を垂直に置き 120度の接合面に切削します。
6個つくり 張り合わせれば完成です。

赤い線で囲んだ三角形の右下の角度 (70.5度) は 正四面体の面角になります。
四角形の角材で作る四面体の面角は 90度になり 少しふっくらとした形になります。
私はこのふくらみが気に入っています。
このような 面でない材料で作る多面体は
レオナルドスタイル(Leonardo-style) とよばれています。

商業用の URL ですが レオナルドスタイルの参考になるかもしれません。
http://rndmodelshop.com/geometrics

製作8 [3,5,3,5] Icosidodecahedron ,Rhombic Triacontahedron

11[3,5,3,5] 多面体



やっと 二種類が完成しました。

左側の多面体が 今回作った Rhombic Triacontahedron 菱形30面体です。
製作プロセスを 画像に撮ろうとしたのですが
使用した接着剤の性質上 いっきに作業をすすめてしまいました。
木工用ボンドではなく 合成ゴム系の強力接着剤で
接着後 数十分は 接着剤に可塑性が残るためです。
いくら正確に加工しているつもりでも 接着のつど固化されてゆくと
全体が形づくられるときに 歪みが生じます。

この接着剤は 全パーツが接合されても まだ少し調整できるという 利点があります。

使用する量は ほんの少しですが 有機溶剤が含まれているため 注意が必要です。

次回は 多面体でばなく ダイヤモンド結晶模型について お伝えしようかなと思っています。

角度計算などはいらず A4の用紙 1枚ですみます
正四面体(Tetrahedron) とは兄弟関係ぐらいにあります。

少し準備作業や 諸事情がありますので しばらく時間をください 。

製作7 [3,5,3,5]双対多面体 Rhombic Triacontahedron

11[3,5,3,5] 多面体 製作道具



60個の部品を 製作しつつあるところです。
10.812度の傾斜で 120度の 接合面をもつ部分を製作するクレィドルと。
26.565度の傾斜で 72度の 接合面をもつ部分を製作するクレィドルで 作業しています。

緑色に汚してある部品は マザーです。
基準値から 少しでもマイナス方向に外れた 部品は捨ててしまいます。
安易に OKを出してしまった 部品を含んだ完成品は そのレベルの状態かそれ以下です。
ひとつひとつ 入魂をしながら つくってゆきます。

説明のための 今ここでの 10×10の寸法の角材での作品ではなく
5×5 ぐらいか それ以下の作品になると 良品選別には ルーペを用いて おこなっています。
(製作者の年齢からもたらす条件も 含まれています が)

製作6 [3,5,3,5]双対多面体 Rhombic Triacontahedron

11[3,5,3,5] 多面体 製作道具



先を尖らせる切削行程の説明をします。

今回の説明に必要な角度は 36度 (360度/5 の 1/2) 比として 178/245 。
そして 60度 (360度/3 の1/2) 比として 194/112 です。

左のグラフ用紙には 左右対称に 60度の ラインをプロットし
正確な 120度の面の角度で切削できる クレィドル cradle を 作ろうとしています。

板材を 60度にカットし 切断面を 合わせ
板材のもとのカット面で角度を作っています。

10.812度の傾斜にカットした 15mm厚の バルサ材と
断面が直角三角形の棒材を 並べて板材に貼った溝を 添えています。

右のグラフは 72度の 切削をするためで 26.565度傾斜の 溝を添えています。

上の cradle では 15mm厚の バルサ材を 二種類の角度にラフにカットしたものを
ドレサー dresser で 面や角度を 整えているところです。

cradle の板材は 加工しやすい桐の集成材です。



のこぎりや dresser で整形して 下のようになります。

製作5 [3,5,3,5]双対多面体 Rhombic Triacontahedron

11[3,5,3,5] 多面体 製作道具



これから 双対多面体のほうの 製作です。
Rhombic Triacontahedron 菱形30面体 です。
先に説明した 20・12面体の すべての稜に 直角に交差した稜でつくれば できる多面体です。
ひとつの部品でつくれます この図は一定寸法 (今回も50mm) にカットする作業です。

三個の稜で接しているところの部品の 傾きは 10.8123169636度 で
グラフ用紙にプロットすれば 底辺 178 対辺 34 の 斜辺と底辺とでできる角度です。
この数字は A4 のグラフ用紙で プロットできる最も大きな整数の比 にしてあります。
五個の稜で接しているところの 傾きは 26.5650511771度 で 125/250 丁度 1対2 です。

作業台にのっている 治具 の下のほうの角度は 26.565度 で 10.812度の面で
ささえる 5cm の長さで切るためのストッパーを両面テープで固定しています。
もう一つは 10.812度 で 26.565度 です。
のこぎりでカットし ドレサーで面を整え 寸法をあわせます。

画面で ドレサーの横の 黒く色付けしてある部品は 基本寸法や 形状の マザーです。
それと 一つ一つ突合せ 確認しながら ひたすら 60個 作ってゆきます。
その後 角材の先を尖らす作業をします これは次回説明します。

私は 左利きですので この画像どおりの治具は 右利きの人には
使いづらいかもしれません。

製作4 作品例

11[3,5,3,5] 多面体



作品の一部です。

製作2のところで レオナルド ダ ビンチ(Leonardo da Vinci ) の挿絵の説明をし
George W. Hart さんの URL
http://www.georgehart.com/virtual-polyhedra/leonardo.html
を 勝手に載せてしまったので 連絡をしたところ
快諾の 丁寧なご返事をいただき その返信に 添付した写真です。
George W. Hart さんは 世界で最も有名な 多面体研究家の 1人です。

製作3 [3,5,3,5] Icosidodecahedron

11[3,5,3,5] 多面体 製作道具



完成しました。
5×5 の角棒での作品と 10×10 でのとは 体積が 8倍の違いだけではないようです。

作品右横は 百円ショップで買った盆で 長方形の板を貼った作業台です。
作業台奥の 長方形の角材にはスモールドレサー (金属のやすり) が貼ってあります。
作品つくりには この “やすり” での 加工が大半です 大切な道具です。

四角の板材で作った 加工台 (クレィドル) が 二つあります。
手前のクレィドル (cradle) が 一定の長さ (今回は50ミリ) に 角柱の面を
左右45度ずつ 傾け 稜方向には 18度の角度をつけて切断するものです。
後ろのcradle は 角棒のそれぞれの先端を接合するための 角度を切削する台です。
18度 (360/10 の 1/2) の傾斜をつけて固定し 切削面の 片面は 58.2825255885度。
もう一方の面は 31.7174744115度 て゛合計角度は誤差なしの 90度です。

実際の角度計算の有効桁数は 小数点以下第二位ぐらいでやっています。
A4 のグラフ用紙にプロットした 角度や 寸法比を 加工の原本にしています。

18度は 77/237  58.283度 や 31.717度 は 144/233 という具合です。
多面体の稜の寸法を 1とすると
五角形の面を底にした場合 底から芯までの寸法は 1.37638192047 で 178/245 です。
三角形 では 1.51152262815 で 131/198 です。
稜から 芯 までば 1.53884176859 で 154/237 です。
頂から 芯 までば 1.61803398875 で 144/233 です。

そして スケルトンではなく 実際の多面体とし 稜寸を 1として
面積は 29.3059828449 体積は 13.8355259362 です。

製作2 [3,5,3,5] Icosidodecahedron

11[3,5,3,5] 多面体



必要な 60個 (同一形状) の パーツで 二種類の形を作りました。
五角形を三角形が取り囲んだものが二つ。
交互に三角形を十個 円形につないだものが一つです。
これを合体させると完成です。
Icosidodecahedronと 名づけられています。
日本語では 二十・十二面体と呼ばれています。
三角形が20個 五角形が12個で できているからです。
この多面体の図は 歴史上最初のものとして
イタリアルネッサンス期に活躍した
ルカ パチョーリ (Fra Luca Bartolomeo de Pacioli) の書籍に
レオナルド ダビンチ (Leonardo da Vinci) が提供した 挿絵があります。

参照
http://www.georgehart.com/virtual-polyhedra/leonardo.html

製作1 [3,5,3,5] Icosidodecahedron

11[3,5,3,5] 多面体 製作道具

10×10のバルサ材で作っています。
初めは5×5のプラ棒で サンプルを 作ろうとしました。
スス竹に比べて 格段に加工が容易だからです。
しかしそれでも 結構時間がかかり
製作プロセスを 写真に撮っても 小さくて 真っ白で
うまくゆきませんでした。



 

2012 05/03 坂井と もうします [3,5,3,5]

11[3,5,3,5] 多面体



[3,5,3,5]と表現される 準正多面体 Icosidodecahedron(左) と 

その双対多面体(Rhombic Triacontahedron) です。

大きさは約 7cm   5×5の角棒 (すす竹の箸) で作っています。

部品はそれぞれ一種類の形状で作れます。

これからおいおい 製作方法を 他の多面体や

ダイヤモンド結晶模型カーボンナノチューブ模型

等々をも含めて 発表してゆきたいと 思っています どうぞよろしく。

H. Sakai

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